はじめに
みなさん初めまして,学生スタッフの近藤です.
私は約一年前に,学科同期の澤田くんと「CO.NECTブロックチェーン学生起業家支援プログラム」に応募しました.
ありがたいことに第三期生として採択され,約半年の間,本寄付講座の支援を受けながら,ブロックチェーンを活用したビジネスモデルの検討と,プロダクトのプロトタイピングに取り組みました.
最近では,情報系学生を対象とした有給インターンシップや開発バイトが充実しています.
本プログラムに応募するか,開発バイトやインターンに行くか,悩むこともあるかと思います.
また,プログラムに応募するためには課題を解く必要があり,その課題がそこそこイカツイので,応募を躊躇ってしまう人もいるかもしれません.
この記事では,一参加学生の目線で,プログラムへの応募から最終報告までの流れを共有させていただこうと思います.
皆さんの判断の一助となったら嬉しいです!
プログラムへの応募から採用まで
自分は,このプログラムを大学の掲示板に見かけて,好きな物を開発しながらお金がもらえるのはいいなと思いつつも,応募のための課題がそこそこ重かったので,放置していました.
第三期の応募締切の当日に,大学で澤田くん(学科同期)と偶然会いました.
そこで,澤田くんはブロックチェーンの勉強会とかに参加していたよなと思い至り,声をかけたところ,意気投合して一緒に応募することになりました.
自分たちが解いた課題は,以下の通りです.
(課題は毎期で異なるので,最新の応募要項をご確認ください!)
プログラムへの参加応募を決意したのが締切当日だったので,課題を解くことができる時間が12時間ほどしかなく,時間的にだいぶ厳しかったです.
我々は,Heliumというブロックチェーンプロジェクトのホワイトペーパをベースに,本課題を解きました.
提出した時刻は,締め切りの1分前くらいで,ヒヤヒヤだったのを覚えています.
この課題を含む書類審査を通過した後,一度の面接を経て,採択か否かの連絡がきます.
面接は,和気藹々とした空気で進みます.
ここで,自分の技術的なバックグラウンドや,どのようなプロジェクトを行いたいかということを,雑談ベースで話しました.
自分の場合,コンピュータビジョンを研究しているので,コンピュータビジョンに関連するようなプロジェクトをやりたいという話をしました...が,実際は全く関係ないプロジェクトを勝手に立てて,取り組みました.
採用通知の後,参加学生全員でオリエンテーションを受けて,いよいよプログラム開始です.
物理的な環境
工学部2号館に,プロジェクト専用の部屋が用意されています.
個人で集中して作業するための個室と,皆で話しながら作業できるオープンスペースが用意されています.
モニターアーム付きの4Kディスプレイや昇降机など,思いつく限りの設備が整っているので,環境に言い訳せずに開発作業に取り組むことができます.
人的な環境
プログラム期間中,他の参加学生とプロジェクトルームでよく顔を合わせることになります.
プロジェクトに参加している学生は,既に起業していたり,未踏にプロジェクトを通していたりと,いわゆる「強い人」が多いです.
自分はあまり強くはなかったですが,他の参加学生と雑談がてらにディスカッションすることで,良い知見を得られました,感謝!
また,プログラム期間を通して,何度か懇親会があります.
懇親会には,参加学生や先生方だけでなく,この寄付講座に協賛してくださっている企業の代表者や,ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家,弁護士事務所の方々など,プロジェクトの協力をしてくださる様々な方がいらっしゃいます.
懇親会での雑談を通じて,良いアイデアを得ることも多かったです.
また,このプログラムを主催している茂木先生や芝野さんは,いつでも相談に乗ってくださいます.
プロジェクトの進め方
プログラム期間を通して,参加者ごとに,自分たちが好きなプロジェクトを立てて進めることになります.
各プロジェクトの進行度は,プロジェクト開始時で既にまちまちです.
既にブロックチェーンを活用したプロダクトのβ版を実装済みで,このプログラムを通してブラッシュアップしようとしている段階の人もいれば,そもそもどのようなサービスが実現可能かを検討する段階の人もいます.
我々は後者で,最初の1ヶ月ほどは,ブロックチェーンを活用することで効率化できそうなビジネスをひたすら列挙して,それぞれへの適用可能性を探っていました.
(具体的に我々が検討したビジネスモデルなどに関しては,また別の記事で共有させていただければと思います)
我々は,かなりビジネス寄りな形でプロジェクトを進行させました.
確かに,このプログラムの題目には「学生起業家支援」とついていますが,別にすぐに(直接)起業に繋がるようなプロジェクトでなくても,将来的に社会にインパクトがありそうなテーマであれば,自由に行うことができます.
実際,我々の同期で,ベーシックインカムをブロックチェーンで実現しようとしている人もいました.
大体一ヶ月に一回のペースで,進捗報告会があります.
進捗報告会には,他の学生や先生方,一部企業の方々がいらっしゃるので,フィードバックを受けることができます.
関連イベントへの参加
本プログラムは寄付講座によって運営されています.
協賛してくださっている企業や個人のご好意で,様々なイベントに参加することができます.
Ethereum財団は,年に一回,DevConという名前で国際カンファレンスを実施しています.
自分がプログラムに参加した2019年度は,ちょうどDevConが大阪で開かれる年でした.(DevCon5)
DevCon5についての詳細は,本プログラム参加者の一人であるeguchiさんの充実した記事が充実しているので,是非ご一読ください.
ブロックチェーン界隈のインターナショナルな熱量を感じることができました.
Ethereumの共同創業者であるVitalik Buterinを直接直近で見られて,感動でした!
プロトタイプの実装
我々の提案するビジネスモデルでは,トークン周りの独自なロジックが中心的な価値を持っていたので,二人でホワイトボードを黒くしながら議論していた時間が大半で,実装は最後に3週間ほど集中して行いました.
最終報告会
最後に,プログラム期間の成果をまとめて最終報告会に挑みます.
プロダクトの開発経緯や思想,ロジックを説明した後,プロトタイプを見せる流れになります.
その後
最終成果報告会の後のプロダクトが辿るルートは,様々です.
プロジェクトを未踏に応募する人もいれば,そのまま起業したり,個人で研究ライクに継続したり...
最終的に,プロトタイプの実装(成果物)は,後のプログラム参加者が参考にするために,寄付講座内部限定で公開します.
自分の場合,プロジェクトの最終成果物を改変して,論文の査読にインセンティブを与えるような仕組みを作ろうと取り組んでいます.
最後に
本プログラムへの応募に際して,以上の情報がお役に立ったら幸いです.
プログラムに関しての質問はいつでも大歓迎です.
お気軽にどうぞ!