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2024年度公開講座受講体験記(社会人・非エンジニア・男性)

執筆者の写真: shibanoshibano

1. 自己紹介

40代の会社員で、デジタルマーケティングやWeb広告などを主軸としたコンサルティング業務を行っています。仕事柄、Web業界には長く身を置いており、各種オンラインマーケティングの手法やツールには慣れているつもりですが、ブロックチェーンについては仕事では直接関わっておらず、あくまで個人的な興味として始めました。きっかけは2022年頃に手にしたフィジカルユーティリティ付きのNFTで、当時はただ「おもしろそうだな」という軽い気持ちから触れてみたのですが、そこから徐々に深みにはまっていった感じです。それ以前からビットコインなど暗号資産の存在は知っていて、正直投機的なイメージのほうが強かったため、どちらかというと否定的に考えていました。しかし、自分で調べたりコミュニティに参加して実際にやりとりを見てみると、単なる投資や値上がりを期待するだけでなく、技術的な新しさやコミュニティ独特の熱量が想像以上に面白く感じられました。今でも専門的な技術には詳しくありませんが、少しずつ学びながらクリプトやNFTの世界を楽しんでいます。

 

2. 受講動機と期待

今回受講を決めた理由は、テクノロジーによるイノベーションに常日頃から強い関心を抱いており、気になったことは表面的な知識だけで満足せず、本質的なところからじっくり学びたい性格だからです。ちょうどブロックチェーンの世界を楽しみ始めていたタイミングでもあり、そんな中でこの講座の存在を知ったのは本当に幸運でした。しかも東京大学で無料で受講できるという敷居の低さや、初心者でも基礎から学べるという安心感がとても魅力的で、ためらうことなく参加を決めました。ブロックチェーン技術の基本的な仕組みから、実際の活用事例まで幅広くカバーしてくれると聞き、これまで断片的にしか理解していなかった部分を総合的に吸収できるチャンスだと感じました。また、同じ興味を持つ人たちとオフラインで直接交流できることで、学びのモチベーションも高まるだろうと期待していました。さらに、オンラインとのハイブリッド形式かつアーカイブ配信があるため、仕事の都合でスケジュールが合わないときでも後からしっかり学習できる点はとてもありがたいと思いました。

 

3. 講座内容と体験

私は今回の講座を、基本的にはオフラインで受講し、仕事の都合などで参加が難しいときはオンラインやアーカイブ配信を利用するという形を取りました。結果として、おそらく全体の9割ほどは実際に会場に足を運んで参加できたと思います。オフラインで受講することで、その場の雰囲気を肌で感じることで学習意欲の向上にも繋がりました。

受講内容に関して特に印象に残っていることは大きく4つあります。1つ目はビットコインやイーサリアムの仕組みの基本的な部分を学べたことです。これまでブロックチェーンに関してはなんとなくのイメージだけしか理解していませんでした。今回の講座ではビットコインの思想やネットワーク上でどのように処理が行われるのかといった基礎を、かなりの時間をかけて解説してもらえたため、自分が最も知りたかった根本的な仕組みをしっかりと理解できました。

 

2つ目は、DAppsやエンタープライズブロックチェーンなどの具体的な事例について学べたことです。技術的な話だけではなく、実際のサービスや導入事例を取り上げてくれたことで、ブロックチェーンが社会やビジネスシーンでどのように生かされているのかがリアルにイメージしやすくなりました。DeFiやDAOの概念はなんとなく理解していたものの、実際にどのように運営され、どのようなコミュニティが形成されているのかについては曖昧な理解しか持っていなかったため、技術的な背景とセットで学べたことで理解が深まったと思います。エンタープライズブロックチェーンについては、これまで知識がほとんどなかったのですが、ブロックチェーンの歴史的な背景や思想、様々な開発団体の取り組みなどを学ぶことで、その多様性を感じることができました。一方で、金融領域ではブロックチェーンで行う意義が大きいと感じる反面、金融以外の領域ではオフチェーンで実現したほうが効率的だったり、そもそもブロックチェーンを使う必要性が薄いと感じる事例も少なくなかったため、その点については受講前と印象が変わらず少し残念でした。

 

3つ目は法規制について学べたことです。ブロックチェーンや暗号資産の分野は、法律がまだ十分に整備されていない面が多々あります。もし何か新しいビジネスを始めようとして、法的な観点を見落とすと、知らないうちに違反行為となってしまう恐れも否定できません。そのため、最低限押さえておくべき規制や法律の概要を知ることができたのは、大きな安心材料になりました。

 

4つ目は、ピッチやグループワークの発表に触れられたことです。ブロックチェーンのこれからの活用方法をテーマに、多彩なアイディアが飛び交う場は非常に刺激的でした。グループワークには残念ながらテストの点が一歩届かず参加できませんでしたが、発表会には足を運び、多様な視点に触れることができました。各グループともにレベルの高い発表が行われ、ブロックチェーンを活用した新規ビジネスの可能性や社会実装の意義について、改めて考えさせられる機会になったと感じています。

 

総じて、今回の講座を通じて得られた学びはとても大きく、特にビットコインやイーサリアムといった基盤技術の本質を理解できたことや、金融分野だけでなく幅広い分野での活用事例を知れたこと、そして法規制やこれからのビジネスアイディアに触れられたことが大きな収穫でした。オフライン主体で受講したおかげで、講義の空気感が身近に感じられたのも良かったと思います。

 

4. 受講後の変化

この講座を受講したことで、日頃から収集していたブロックチェーン関連の情報の理解度が変わりました。以前はただキーワードを知っているだけで、具体的な仕組みや技術については深く考える機会がありませんでしたが、講座で基本的な仕組みや技術を学んだ結果、断片的だった知識がつながり、情報収集の際に「どのような技術が使われているのか」「他のプロジェクトとの違いは何か」といった視点で捉えられるようになりました。

また、活用事例やピッチアイディア、グループワークでの発表から多くの刺激を受け、ブロックチェーン技術をどのようにビジネスや社会課題の解決に応用できるかという具体的なイメージが広がりました。以前はなんとなく話題の技術程度に捉えていたものが、どのように実装され、どう活かしていくのかを考える習慣が身についたのは大きな変化だと思います。その一方で、DAppsの開発にはスマートコントラクトの深い知識やWeb2以上のセキュリティ対策が求められる部分もあるため、簡単には乗り越えられないハードルがあることも感じましたが、そういった高度な技術に支えられているものという面白さも感じました。

 

今後は学んだ知識を活かし、自分の経験や知識とブロックチェーンを組み合わせることで、新しい仕組みやビジネスを考えていけるといいなと思います。この講座を通じて情報をより深く理解できるようになり、自分なりにブロックチェーンの可能性を考えられる幅が広がったと実感しています。

 

5. これから受講を検討している方へのメッセージ

ブロックチェーンについてこれから学びたいと考えている方には、ここまで丁寧に学べる機会は非常に貴重だと思うのでおすすめしたいです。ただし、難易度の高い内容も含まれているため、挫折しない心構えも必要でしょう。私は非エンジニアですが、Web業界には長く携わっており、簡単なJavaScriptやPHP、SQLなどは扱えます。それでも、ブロックチェーンの技術的な部分について一部はほとんど理解できないようなところもありました。受講する目的は人それぞれだと思いますが、特に非エンジニアの方は、こうした高度な内容もあることを念頭に置きながら、自分が学びたい分野に合わせて受講内容を取捨選択するのも一つの方法だと思います。

 

私のように非エンジニアでも学びたいという方には、基礎的なLinuxの講座なども用意されているため、せっかくの機会ですので、技術的な部分も含めて学習するとブロックチェーンの仕組みをより深く理解できます。最後に、基礎的な内容から活用事例、技術的な内容まで幅広く学べる非常に貴重な講座ですので、興味をお持ちの方はぜひ受講してみてください。最後までやり切ることで、ブロックチェーンの世界をより一層楽しめるようになると思います。

 

 
 

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